「行動経済学の逆襲」を読んでレターポットの謎が解けた。

リチャード・セイラーさんの『行動経済学の逆襲』を読んでいます。行動経済学の知識で、レターポットの謎が解けたような気がしたので紹介します。

失うモノの価値を高く見積もる「保有効果」

人間の心理傾向の1つとして「保有効果」というものがあります。

簡単にいうと、自分が既に手に入れたモノについて手放したくないと考え、価値を高く見積もるという心理です。

マグカップの値段を推測してもらう実験では、

  • 実験者の所有物として値段をつけてもらった場合
  • 対象者にマグカップをプレゼントしてから「いくらなら売ってもいいか?」と聞いた場合

と分けた場合、後者の方が高い値段をつける傾向があります。一度手に入ったものは、それが手に入る前よりも高い価値があると考えるわけです。

価格の引き上げは「不公正」

本書では人が感じる「公正感」について言及されています。

ある物質が不足状態にあるとき(需要が大きいとき)、それを提供する企業は価格を引き上げることが適切であると経済学では考えます。(大雪の日に、雪かきシャベルの値段を引き上げるなど)

しかし実際、人はこうした価格の高騰は「不公正である」と考えることが実験でわかっていて、こうした価格の引き上げを行った企業は信頼を失うという実例が紹介されています。

経済学で正しいことがいつでも実社会で正しいとは限らないということですね。

不公正と保有効果

  • 手に入れたものを失いたくないという保有効果
  • 価格の引き上げを不公正と感じる人間の心理

この2つは非常に似ていると言えます。つまり既にある価格で提供されている商品について、人間は「その価格で手に入って当然だ」と考えるわけで、その取引条件が崩れるとき損失と考えるわけです。

買い手も売り手も、自分たちが慣れ親しんでいる取引の条件は、当然受けるべき権利だと思っており、そうした条件が少しでも悪化すれば、それを損失と受け止める。

無料→5円への抵抗

レターポットがリリースされたとき、一文字5円を支払うということに対して抵抗を感じる方が多くいらっしゃいました。

ここまで読んでくださった方は、もうお分りだと思いますが、これも保有効果が働いている一例です。

今までは無料で手に入って当然だった権利に対して、お金を払わないといけないということに抵抗を感じるのは割と当然のことなわけです。

この辺りの心理傾向を超えて、「文字にお金を払うのは当たり前」くらいまで浸透させることができれば凄いサービスになりそうですが。

 

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